<公務員法案>審議入り 次官級ポストなど巡り「改革競争」(毎日新聞)

 政府提出の国家公務員法等改正案と、自民党とみんなの党が共同提出した対案が6日の衆院本会議で審議入りした。部長級以上の600ポストを同格と見なし、次官級から部長級への降格や逆の昇格も柔軟に行える「政治主導」の人事実現を優先した政府案に対し、対案は事務次官・次官級ポストの廃止や課長級以下への降格も盛り込まれ、「改革競争」の様相を呈している。

 「政府案は驚くべきことに麻生内閣の法案(廃案)よりはるかに後退している。民主党は天下り根絶を断念した」。本会議で対案の説明に立った自民党の塩崎恭久元官房長官は声を張り上げた。

 野党側が特に問題視するのは「内閣人事局」の規模。08年6月に成立した国家公務員制度改革基本法は、総務省の定員管理や人事院の機能を移管した数百人規模の内閣人事局を施行後1年以内に発足させると規定しているが、今回の政府案は「3年以内」と先送りし、当面は部長級以上の人事案の作成や調整が主な業務の数十人規模となっている。

 塩崎氏は「与野党合意で成立した基本法を思えば、あり得ない暴挙だ」と非難。仙谷由人国家戦略担当相は「今回の法案は第一歩。内閣人事局で引き続き労働基本権や、定年まで勤務できる環境、抜本的な改革を進める」と理解を求めた。

 場外戦も盛り上がる。みんなの党の山内康一国対委員長は6日の記者会見で「どう考えても政府案より我々の案の方が政治主導確立に適した法案だ」と胸を張ったが、民主党の山岡賢次国対委員長は党の会議で「みんなの党は公務員(制度改革)で(考えが)合わない、と自民党を出た人たち。自民党と一緒に対案を出すのは不思議だ」と指摘した。

 仙谷氏も記者会見で「文言上厳しく見えるものを出しても、あなた方(自民党は)ここ20年、何をやってきたんだ、という話に過ぎない」と述べ、事務次官を頂点とする各省庁との蜜月関係を誇った旧政権を皮肉った。鳩山由紀夫首相は「修正協議に応じるつもりはまったくない」と原案通りの早期成立を目指す考えを記者団に示した。【青木純、野原大輔】

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規制改革分科会が初会合=鳩山政権で論議スタート(時事通信)

 政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)の下に設置された規制・制度改革分科会(会長・大塚耕平内閣府副大臣)は29日、都内で初会合を開き、鳩山政権での規制改革論議を本格的にスタートさせた。6月をめどに各検討テーマについて対処方針を決める予定。各省庁の抵抗が激しい場合は、公開の場で関係者を呼んで議論する「規制仕分け」も検討する。
 会合の冒頭あいさつで枝野幸男行政刷新担当相は「これまでの規制改革は、厚い壁に阻まれて緩和されていないところと、逆に緩和だけが進んで弊害が生じた両面があった」と指摘。メンバーに対し、「消費者や利用者の視点を持って、現状の規制を見直してほしい」と求めた。 

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「まま ずうっとすき」継母はなぜ虐待したのか(産経新聞)

【衝撃事件の核心】

 昨年11月、兵庫県三田市のマンションで家族4人で暮らしていた女の子が、わずか5歳で亡くなった。利発で人なつっこく、幼稚園でも人気者だった寺本夏美ちゃん。転倒し頭を打ったとして病院に搬送されてから、5日後のことだった。だが3カ月余りが過ぎた今年3月、兵庫県警は虐待により夏美ちゃんを死亡させたとして、傷害致死容疑で継母の無職、寺本浩子容疑者(27)=秋田県小坂町=を逮捕した。「シンデレラ」や「落窪物語」のように、昔からあったとされる継子いじめ。だが一方的に憎しみを募らせた末の典型的な児童虐待ではなく、寺本容疑者は育児に悩んでいた様子もうかがえる。夏美ちゃんはなぜ、どうやって短い生涯を終えることになったのか…。(稲場咲姫)

 ■「外傷なし」が決め手に

 「子供がベランダで転んだんです。意識がなく、呼吸もあるか分からない」

 電話口の声はうわずり、震えていた。三連休が明けたばかりの昨年11月24日午後3時47分。三田市消防本部に119番が入った。

 JR福知山線三田駅から徒歩で10分ほどの距離にある築20年弱のマンション。その2階の一室に救急救命士を含め4人の救急隊員が駆けつけると、居間にあおむけで横たわっている女児の姿が目に入った。それが、夏美ちゃんだった。

 肩をたたいて呼びかけるが、反応はない。瞳孔も開いている。かたわらの寺本容疑者はおろおろするばかりで、「なつ、なつ」と繰り返しながら夏美ちゃんの体をさすっていた。

 救急病院に搬送された夏美ちゃんは、ICU(集中治療室)で治療を受けた。しかし一度も意識を取り戻すことなく、11月29日午後1時7分、息を引き取った。死因は、頭部に衝撃が加えられて生じた急性硬膜下血腫による脳機能障害だった。

 だが、病院は当初から虐待を疑っていた。病院関係者は言う。「転倒してできた傷害かどうかは、医師ならまず間違いなく判断できる」

 このため搬送当日に「虐待の可能性がある」と県警に通報。県警が行った司法解剖の結果も、医師の判断と一致した。「転倒したならあるはずの外傷がない。にもかかわらず硬膜下血腫を起こしたのは、頭を激しく揺さぶられた可能性が極めて高い」(捜査関係者)。県警は近年、児童虐待の新たな類型として注目されている「乳幼児揺さぶられ症候群」(SBS)の疑いを強めた。

 SBSは子供の肩をつかむなどして激しく揺すった際に、脳が頭蓋骨の内側に打ち付けられて発症するとされる。日本小児科学会の児童虐待の診療手引きによると、硬膜下で出血を起こすことが圧倒的に多いという。

 県警はまず、昨年6月24日に夏美ちゃんに暴行を加えたとする傷害容疑で、今年2月11日、夏美ちゃんの死後まもなく離婚し郷里の秋田県小坂町に帰っていた寺本容疑者を逮捕。さらに同罪で起訴した後の3月5日、傷害致死容疑で再逮捕した。

 ■“おばあちゃんママ”を訪ね7キロを

 親族らによると、寺本容疑者と夏美ちゃんの父親(30)が知り合ったのは、平成19年の秋ごろだった。父親は大学時代に出会った夏美ちゃんの実母と結婚したが、実母は悪性リンパ腫のため26歳の若さで他界。わずか2歳で母親を失った夏美ちゃんのためにも再婚を、と考えていた時期だったという。大阪市や神戸市のベッドタウンである三田市と、青森との県境、十和田湖沿いにある小坂町。750キロ以上離れた町に住む2人が知り合ったきっかけは、インターネットの会員制サイト「mixi(ミクシィ)」だという。

 その後、交際を深めた2人は20年3月に結婚。一人っ子だった夏美ちゃんにとって初めてのきょうだいとなる弟もほどなく生まれ、家族4人での暮らしが始まった。

 だが、夏美ちゃんの新しい母親との暮らしの異変に気づいたのは、父方の祖母(56)だった。

 「声がするのでドアを開けたら、夏美がいるんです。もうびっくりして…」。昨年4月10日、夏美ちゃんが三田市の自宅マンションから約7キロ離れた祖父母の家を、突然訪ねてきたのだ。

 祖父母は夏美ちゃんの実母が亡くなった後、夏美ちゃんを自宅に預かり親代わりになって育てていた。そして、父親の仕事が休みの週末は三田市のマンションへ。そんな生活が寺本容疑者と再婚するまで2年余り続いた。だから夏美ちゃんも道はよく知っている。それでも当時4歳だった夏美ちゃんが一人きりで2時間かけて歩いてくるのは、よほどのことに違いなかった。

 「事情を聴いたら、『ママに追い出された』と言うんです。あの子は私のことを『おばあちゃんママ』と慕ってくれていました。だから必死の思いで来たんでしょう」

 すぐさま電話で寺本容疑者を問いつめたが、その答えも、祖母を愕然とさせるものだった。「私は夏美に母性がない。だから、好きなところに行くように言ったんです」

 ■まま ずうっとすき

 夏美ちゃんが虐待を受けていると感じた祖母は、三田市のこども課に相談した。しかし夏美ちゃんが通っていた市立幼稚園の園長はこども課からの連絡を受け、意外だったという。

 「本当におとなしそうなお母さんで…。ただ、育児に悩んでいる様子はあった。『急に4歳児の母親になって戸惑っている』と相談を受けたこともある。でも、『義理の母親だけど頑張ります』と話していたんです」

 それでも注意深く様子を見守っていた6月25日、夏美ちゃんがほおを腫らして園に現れた。「昨日、ママにばーんとされた」。すぐさまこども課に報告し、県川西こども家庭センターが夏美ちゃんを一時保護した。

 保護後に園から連絡を受け、泣きながら「(しつけを)やりすぎてしまいました」と話したという寺本容疑者。センターの職員に対しても「実の母親のようになりたいと思い、必死でやってきた」と訴えたという。

 その後、寺本容疑者が自らのしつけが誤っていたことを認め、周囲のサポート体制も整ったため、センターは家庭復帰が可能と判断。夏美ちゃんは約1カ月で自宅に戻った。寺本容疑者の育児の負担を減らすため、幼稚園に代わり新たに通うことになった保育園の園長は「夏美ちゃんはお母さんの膝の上に乗って甘えたり、作ってもらったお弁当を見せてくれたり…。過去に虐待を受けたことがあっても、ふつうの親子仲にみえた」と振り返る。

 だが、祖母の見方は異なる。「あるとき、なぜ夏美をそんなに厳しくしつけようとするのか聞いたことがあるんです。答えは『私も母親から同じしつけを受けた』でした。夏美はそういう新しい母親に慣れようと、気に入られようとしていたんです」

 再び始まった家族4人での暮らしは、わずか4カ月で終わりを告げた。寺本容疑者は傷害の逮捕容疑となった6月24日の暴行については逮捕当初認めていたが、その後は夏美ちゃんが死亡した経緯も含め「話したくありません」と説明を拒んだという。

 結婚する際、周囲に「私が夏美ちゃんの母親になる」と告げたという寺本容疑者。その歯車は、どこかで狂ってしまったのか。夏美ちゃんがセンターに保護されている間につけていた絵日記には、幼い字でこうつづられていた。

 《まま ずうっとすき》

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小沢幹事長 生方氏の副幹事長職を慰留、本人も了承(毎日新聞)

 執行部を批判した民主党副幹事長の生方幸夫衆院議員の処遇に関し、同党の小沢一郎幹事長は23日午後、国会内で生方氏と会談し、生方氏に「もう一度一緒にやってくれないか」と述べて副幹事長職にとどまるよう求めた。生方氏も了承した。

 生方氏は一部報道機関とのインタビューで小沢氏の党運営を批判し、執行部は生方氏を解任する方針を決め、同日午前の党常任幹事会で承認する予定だった。

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基礎から臨床への「橋渡し研究」強化を―文科省作業部会(医療介護CBニュース)

 文部科学省の「がん研究戦略作業部会」(主査=垣添忠生・国立がんセンター名誉総長)は3月16日、「がん研究の現状と今後のあり方について」と題する中間案を取りまとめた。案では、同省が支えてきたがんの基礎研究に一定の評価を示しつつも、臨床研究へのつなぎが不十分とし、基礎から臨床への「橋渡し研究」の早急な強化が課題だと強調している。

 作業部会は、文科省として総合的・戦略的にがん研究を推進するための今後の方策について検討するため昨年7月に設置され、これまで6回にわたって討論や若手研究者、患者支援者など各方面からのヒアリングを行った。

 中間案では、文科省のがん研究についての現状認識として、「がんの基礎研究の質の高さと国際的な競争力については、維持し続けるべき」と、一定の評価を示している。しかし一方で、こうした基礎研究に基づいた技術開発や医療への応用は、欧米に大きく後れを取っていると強調。また、基礎研究支援に対する公的投資のあり方についても、日米間では格差が大きく、研究領域によっては中国やシンガポールに追い越されていると指摘している。さらに、2004年度から他の研究領域とは別に予算枠が設けられ支援されてきた「がん特定領域研究」が、今年度で廃止となることから、「これまで求心力のあった(文科省管轄下の)研究チームが散逸してしまい、これまでのようながん研究に対する支援が十分に行われなくなる可能性がある」としている。
 こうした現状を踏まえ、中間案では「多くの優れた基礎研究の成果を一刻も早く医療に応用する」ことが重要な任務であると強調。具体的には、▽大学等における臨床研究や橋渡し研究の充実▽国内外のがん研究動向調査・分析、政策提言等を通じて、研究方針の決定を推進するような組織の構築▽がん研究の若手臨床研究者によるネットワークの形成―などを挙げている。

 作業部会では今後、各委員から寄せられた意見や指摘を基に文言の修正などを行い、今年6月をめどに最終案を取りまとめる方針。


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 13日午前10時半ごろ、神奈川県相模原市水郷田名4の相模川河川敷の多目的広場で、野球用バックネット(縦4メートル、横8メートル)が強風にあおられて倒れた。下敷きになった同市の会社役員の女性(40)が骨盤を、次男(4)が頭の骨を折る重傷を負った。

 県警相模原署によると、バックネットは鉄柱にナイロン製の網が張られており、普段はグラウンドに埋めた鉄製の金具で固定していた。重傷の母子は、長男の少年野球チームの練習を見学に来ていた。

 市消防本部によると、同市では当時、最大瞬間風速14.1メートルの風が吹いていたが、注意報は出ていなかった。【山田麻未】

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「幹部メモでの結論誤り」=沖縄回復費の肩代わり−元記者西山氏(時事通信)

 外務省の有識者委員会は9日公表の報告書で、沖縄返還交渉での原状回復補償費400万ドルの肩代わりについて、「『狭義の密約』ではない」とした。元同省幹部のメモを根拠の一つにしているが、返還協定に関する機密公電を外務事務官から入手し、国家公務員法違反罪で有罪が確定した元毎日新聞記者西山太吉さん(78)は「メモは疑惑発覚後に作られているのに、交渉当時にさかのぼって当てはめる論理は間違っている」と厳しく批判した。
 米側では既に、当時の同省アメリカ局長・吉野文六氏と駐日米公使が1971年6月12日に交わしたイニシャル入り書簡「議論の要約」が見つかっている。秘密合意文書の一つとされ、日本側の非公表書簡案に関心が集まっていたが、報告書は「交渉経緯に関する記録は残っていない」とした。
 この一方で、日本側書簡案の「結末」として、当時の栗山尚一同省条約課長が翌72年4月12日付で国会対策用に作成したメモに言及。「案を正式に取り上げることなく終わった」と記されていたことなどから、報告書は「財源を日本が負担するという趣旨の米側書簡案とは『ほど遠かった』ことは事実であろう」とした。
 これについて、西山さんは「メモは政府が密約否定に必死だった時期に作られたもの」と指摘。逮捕されたのもこの時期で、「吉野局長は事実上の最高責任者で、『議論の要約』は政府間合意文書だったはずだ」とする。
 西山さんは、鳩山政権が密約調査に乗り出したことを評価しつつも「都合の良い文書が残り、外交文書破棄の疑いもあるが、有識者委はそれに踏み込んでいない」と問題提起。「400万ドルは氷山の一角で、思いやり予算(米軍駐留経費の日本側負担)の原形となった。国民にうそをつく外交は外交ではない」と指摘した。 

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<クロマグロ>「半減」の危機 完全養殖が日本の食卓救う?(毎日新聞)

 すしや刺し身の高級ネタとして人気のクロマグロ(本マグロ)が、13日から開かれるワシントン条約締約国会議で国際取引が禁止される恐れが出てきた。一方、日本国内ではクロマグロの完全養殖化が進む。安定供給と種の保護の両立に、マグロ養殖は切り札となるのか。【小島正美】

 ■苦節35年 クロマグロの完全養殖で世界の先頭を走るのは近畿大の水産研究所。本州最南端にある研究所の大島実験場(和歌山県串本町)を訪れた。船で約10分、沖へ進むと円形のいけす(直径約30メートル、深さ約10メートル)が見えてきた。全部で11基。実験場長の澤田好史・同大大学院教授が生サバを放り込むと、体長1.5メートル前後のマグロが急浮上し、あっという間にのみ込んだ。どれも、いけす生まれの親から生まれた完全養殖マグロ。100キロを超すものもいる。「冬は脂がのっておいしいよ」と澤田教授。

 研究所がマグロ養殖を始めたのは1970年。海で取れた体長約20〜30センチのヨコワと呼ばれる子マグロを飼い始めたが、約20年間は失敗の連続。共食い防止にマダイの稚魚を与えたり、常夜灯をつけて激突死を防ぐなど技術を向上させ、02年に世界初の完全養殖に成功した。

 04年から「近大マグロ」のブランドで出荷され、07年からは養殖業者にヨコワを販売。仕入れた愛媛、熊本などの養殖業者は今年、マグロを出荷し始めた。昨年のヨコワ生産は約4万匹で、同大理事の熊井英水教授は「日本の海で捕獲されるヨコワの約10分の1に当たる。量産の研究を重ねれば、天然のヨコワに頼らなくても済むようになる」と語る。

 企業でも、マルハニチロが87年から奄美諸島で養殖に取り組む。昨夏、いけす育ちのマグロが卵を産むまでになり、3年後から出荷予定。えさは生のイワシなどだが、「魚粉や栄養剤を混ぜた配合飼料で育てるメドも立った」(同社広報IR部)と飼育技術は着実に進んでいる。

 ■年4万トン消費 日本は国内で消費するクロマグロ約4万3000トン(08年)のうち、約2万トンを大西洋クロマグロに頼る(水産庁統計)。13日からカタールで開かれるワシントン条約締約国会議で、大西洋クロマグロが「絶滅の恐れのある動植物」に指定されると、発効後に日本国内の供給量は半減する。

 太平洋クロマグロやミナミマグロ(インドマグロ)の取引は続き、国内に約2万トンの在庫もあるため、すぐには高騰しないとみられるが、長期的な安定供給に養殖への期待が高まる。

 完全養殖マグロは既に、すし店やスーパーで販売され、関西の「スーパーサンエー」では中トロのさくで100グラム当たり980円。天然マグロより高めかほぼ同じだ。

 課題は子マグロの価格。ふ化した稚魚が5〜6センチに成長するまでの生存率は1割程度と低く、1匹5000〜7000円程度。小野征一郎・近大農学部教授(水産経済学)は「1匹5000円程度で安定供給されれば、消費者が手ごろな値段で食べられるのも夢ではない。日本の技術が世界をリードする局面に来ている」と話す。

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